濃い緑と深淵

例年よりも早く梅雨が明けた。

 

毎年暑くなると食欲がなくなって、暑さに身体がやられてしまう。

それと同時に夏の間は、毎年精神も少しずつおかしくなって、からっぽのまま人間とか理性とかから少しだけズレていく。

 

夏の間は眩しすぎる太陽の下、女の子の健康的な肌に惹かれる男の子もいれば、私のように死と隣接しながら夕暮れの中でぼんやりしている人に惹かれる物好きもいる

 

いつどこで見たのか忘れてしまったけれど

「完璧な死体と夏が誤解するほど僕たちは抱き合っていた」

この短歌

ずっと覚えていた。

愛と若さの頂点でひとは何故か死に近づく

 

でももう4回目の大学生はそろそろまともになりたいな、とも思うけど最後の学生だからこそ暑さに溶けるように若さのやるせなさを使い果たしてしまいたい気もする。

 

 

どうしてこんなに懐かしくて胸が締め付けられるような気持ちになることが多いんだろうね。これっていくつになっても感じるのかな。

いくら肌を重ねても全てと一つにはなれなくて、今年もたぶん、天井越しに宙を見ていると思う。