部屋に明るい午後の光が充満して 遠くに電車の音が聞こえる 自分の中のよくわからない混沌を、よくわからないまま抱えてきて それをひとつずつ、手をかけて消化させたり忘れたりその時がくるまで取っておいたりした 楽しい出来事の最中にいるときは、それが…

さよなら

先々週、終了する間際に彼氏とムンク展へ行った。 一番有名な「叫び」はもちろんよかったけれど、それ以上に「接吻」の絵が印象に残った。 薄暗い部屋で女性が男性の首に手を回し、抱き合う形でキスしている。 男女の目や口は描かれておらず、二人の顔の輪郭…

宛名のない下書き

悲しい出来事も嬉しい出来事も、 電車から見る外の景色のように流れていく 自分の腕は白くて細くて世界一綺麗だなぁと心を無にして思うけどなくなりたいんだよ本当は身体を無くしてしまいたい薄青い常夜灯に向かって伸ばした自分の腕真逆の行為で自己が失わ…

全てのことには意味がある

人生には、すぐに分かることと時間が経ってから分かることがある。 生け花の先生に、「どう生けたら素敵かみたいな審美眼って、どうしたら身につくんですかね」と尋ねた。 先生はただ一言、 「それはね、お稽古あるのみよ。何事もそう。続けていくうちにスッ…

贅沢

年の瀬から年が明けて3が日まで、母が東京に来ていた。 忘れないためにここに書いて残しておく。 大晦日 夕日に照らされながら並んでバスを待つ人達が眩しくて、思わず写真に収めていたら「何撮ってんの」と聞かれた。 返事をすると「あんたは独特の感性よね…

お兄ちゃんとの日々

12月23日は街全体がどこかそわそわしていて、光に照らされた人の顔がうっすらと高揚していて好きだ。思わず寄り道してしまう。 一緒に暮らしているお兄ちゃんに夕食を作るため、スーパーでチキンのための鳥もも肉とサラダの野菜、そして2人分のエビスビール…

人間らしい生活

障害者が共同生活を送るグループホームで、夜勤のバイトをしている。 男性2人、女性3人。建物は今年出来たばかりで最新家電が揃い、すごく綺麗(テラスハウスみたい)。私は夜9時から泊まって朝ごはんを作り、朝の8時半ごろ帰る。 夜勤といえど22時ぐらいから…

まぼろし

美大生の彼を振った後も、結局11月に何回か会っている。芸祭に行った帰りに、川が見たいということでまた電車に乗って多摩川へ連れて行った。 駅に着いてローソンであったかいほうじ茶ラテとプリンを買ってから川の近くへ。お酒じゃないところがいいと思う。…

生活のメモ

・最近直島にいって、モネの絵を見た。 自然の光が入っていて明るいのに薄暗がりの空間、そこに浮いているようにぼおっと浮かぶモネの絵。究極の美だ、生と死を内包するような。生命が漂っているような空間。 美しいものを見たときに美しいと感じる心をずっ…

青春の終着点

自分の目で見た景色と経験が本物だ、 さわやかな秋の澄んだ空気と頬を撫でる風、視界全てを埋める海の大きさと広さ、どこかで聞こえる船の汽笛の音が町中に響き渡る様子は、実際にその場に立たないと分からない。 * おじさんに車で案内してもらってる途中、…

長崎

港町に行きたいという理由で、ふらっと長崎にひとりで行ってしまった。 長崎はいいところ。海がある町は空と町の空気が開けていて、また自然と人の営みが調和していて美しい。 歩くと至る所に教会があって、坂が多い町だから少し登ると海と造船所のクレーン…

牛しゃぶ

卒論を図書館でしていたら同じゼミの仲良しの男と遭遇し、そのまま腹減ったとかいいながら卒論を2人で放棄してご飯を食べに行った。 最初は「鍋。鍋が食べたい」と言っていたけど気がついたらしゃぶ葉へ。 ファミリーしかいないしゃぶ葉で、2人で黙々と野菜…

光のかげ

*私に映画を勧めてくれた彼は美大生で、才能があり有名な事務所に就職が決まった。彼のポートフォリオを初めて見た時、「これ本当に君が全部作ったの?」と聞いてしまうぐらい素晴らしいものだった。どこか浮世離れしていて、私はかなりコンプレックスとい…

寝ても覚めても

観ながら凄いイライラしていた。でも帰って来てからずっと映画の内容を考えているうちに、その原因は私と似てるからだろう、そして私はこの女の子と違って全てを捨ててしまえる勇気とか諸々がないからだろうという結論になった。 自分と映画の人物を重ねるこ…

記憶はいつでも

久しぶりに、昔アルバイトをしてたイタリアンへ食べに行った。 店長は私と同い年で、私が大学2年生の時に専門を出て社員として入って来た人だ。 私は初め彼が苦手だった。なんというか、サッカーばかりしていて人種が違うし茶化すような幼稚さが合わないとか…

金木犀はアヘンのように

わずかに残った夕日に惹かれるように、そして急かされるように、気がつくと目的地とは逆の方向にペダルを漕いでいた。 でもいつまで経ってもその消えて行く淡さには追いつけなくて『ここまで』の標識でハッと我に返って漕ぐのを辞めた。 夕方の空は真実で混…

生まれた

飲み込んでしまった言葉たち 名前の付いていない感情 絵画のような空 遠いのか近いのか 立体なのか平面なのか分からない雲 足先が痺れるような幸せ 何もかもが過ぎ去ってしまったようでいて 実はすぐ後ろに前に隣にいるのだ 自分のことを好きなまま大人にな…

藝祭だ

2日間行ってしまった。 浮世から2mmくらい離れてる人達が多くて羨ましかった。半分の学生は就活しない理由が何となくわかる、スーツ着て歩くのがとってもアホらしく思える。 あと上野という土地と絵画棟の大きい窓が素敵だった。光の入り方、風、額縁のよう…

実在した夏

全ての季節の中で夏だけが終わる 今年は平成最後の、とか学生最後の、とか色々あるけど私にとっては最後のモラトリアムの夏だったと思う。 私が7月の初めに書いた記事で、今年は落ち着いてまともになりたい、でも若さを使い果たしてしまい気もする みたいな…

ノルウェイの森

節目の本 多分一番影響を受けている 18の時に初めて読んで、その時から繰り返し読んだ。 20歳になる少し前に彼氏といった岩盤浴で、BGMにビートルズのそれが流れていた タイミングもあり、少し泣いてしまった。 今日、母とランチでビストロに食べにいった。 …

顔という呪縛

単発のアルバイトで、スタジアムのスタッフをした。 その日はSS席入口にはいるお客さんのチケットを確認するという単純な仕事で、同じSS席前に配置された女の子と2人で、まばらにやってくるお客さんのチケットをひたすら確認していた。 途中で若い男4人くら…

セロ

少し前だけどceroのtrafficへ行った。 ceroが色んなアーティストを呼んで14時ぐらいから21時頃までずっと音楽に埋もれられるやつ 彼らの音楽はすごいなぁ 自然とか言葉にして説明できないこの世、とかそういったものに近く親しみを感じる 音の系統とかではな…

旅の出来事

北海道に旅行に行ってひまわり畑とか美瑛の丘とかmacの壁紙になった青い池を見て、星野リゾートに泊まった。13%しか出ないと言われている雲海や安藤忠雄の水の教会を見て、感動して泣いていた。 それら自体もすごく楽しかったんだけど、一緒に行った彼氏に絶…

食パンバウンド

たまには普通の何もない日を書く。 ・お昼前に実家からダンボールが箱で届く。開けると大量のナス、ピーマン、とうもろこしがはち切れんばかりに詰められていて「夏…」と思う。 ・お昼にそうめんを食べようとしたが、ただの食べ方に飽きたので胡麻油で焼いて…

選ばなかった方の人生

やりたいことと適性は違うこともある。それが私が就活を通して得た感想。 そうして今の内定先にある程度納得しているのに以前バイトしていた先の飲み会で、言い訳口調であえて冗談っぽく説明してしまった自分に嫌気がさした。 後に後輩から 「〜さんは昔、大…

大人サンプル

最近登録制のバイトを始めた。色々な場所のイベントで運営や接客をしたりする。 ネットに詳細を書いちゃいけないらしいので詳しくは書けないけど、場所や企画によって全然人のタイプが違く、見ていて全く飽きない。 今日印象的だった人は東京の神田川近くに…

つめたくて柔らかな氷

彼氏とカキ氷を食べに行った。 彼は、インスタで行きたいフォトジェニックなカキ氷屋さんをいくつかクリップしていた。 人気のふわふわのカキ氷。山のような高さの氷の上に抹茶やマスカルポーネ、苺など、お洒落でカラフルなシロップがかかっている。 そうい…

ある七夕

高校の時の友達から「今日散歩しいひん?」と突然ラインが来て、また多摩川へ行った。 自転車をこぎながらお互いに自由に思い思いの事を喋る。あの犬の足の上げ方ディズニーみたいとか、オシロイバナの実を保育園の時つぶして塗ってたとか、スーパーにいって…

雨 朝から頭のいい都立高校の前で塾のパンフレットを配るバイトをした 偏差値で通り過ぎる生徒を見てしまう自分と清潔感のない派遣のおじさんに傘をさせない自分を恥じる 帰ってきてからニュースを見て森達也の「A」とか「A2」を思い出す テレビで流れる執行…

ビリヤニ

食欲は相変わらず無く毎日アイスばかり食べている。 でもなぜかビリヤニがどうしても、食べたくなってしまった。 ビリヤニについて簡単に説明すると、パキスタン料理の一種で、細長いお米をスパイスやお肉と一緒に炊き上げたものである。 実は一週間ほど前か…