寝ても覚めても
観ながら凄いイライラしていた。でも帰って来てからずっと映画の内容を考えているうちに、その原因は私と似てるからだろう、そして私はこの女の子と違って全てを捨ててしまえる勇気とか諸々がないからだろうという結論になった。
自分と映画の人物を重ねることが痛いことは分かっている。
麦に対する思いは爆竹のような恋で、亮平に対する後半からの思いは穏やかな愛だ。
長くて穏やかな夢を見ているんじゃないかとたまに私も思う。
だからこそ、この女の子はぬるく幸せな夢が覚めて、まともなフリが続けられなくなってしまうことをずっと恐れていたんじゃないのかな。
麦が家に迎えに来た時、怯えていたのもそう。
明るい世界に生きているまっすぐな人の側にいて、自分もそうしてまともに幸せに生きられると言い聞かせている。
そしてその夢が覚めることを恐れると同時にどこかで深く渇望している。
そういった部分が凄く似ていて、その行為が「自分に酔っていて中身が空っぽ」なのもとてもよく似ている。
でも本当に夢で、覚めるのは麦との恋愛の時間だ。
隣にずっといてくれる確かな愛は亮平、それに気がついて引き返して亮平のもとに戻ったのはこの女の子の無意識のズルさと賢さだろう。
この映画を教えてくれたのは他のなつかれている男の子だけど、やっぱりもう会わない方がいいなぁ。私は亮平さんのような人と多分ずっと一緒にいることを選ぶ、そしてその事は朝子と違って揺らぐことがないと思う。
川と海が効果的に使われていてよかった。
余談だけど一緒に観ていたお母さんに、唐田えりかとあんたは姿と雰囲気が似てると言われた。あんなに可愛くないが確かに手と足の感じが同じ…